世銀への挑戦―落ちこぼれが人生をかけてー

自然災害の脆弱性と発展途上国の貧困に関して研究する国立大学院生(24)が主としてどのような日々を過ごしているかをまとめたブログ

ごぶさたですね(近況報告):研究経過報告

 固定の読者の方がどれほどいらっしゃるか、存じ上げませんが近況報告をしたいとお思う。

 まずはじめに。4月からの進路のことですが、4月以降も大学院生です(博士課程の学生と言えればかっこいけど、実のところ研究に専念したい理由で希望的留年:まぁM3ですね苦笑)

 まぁ、とかいっていますが実のところは2年で修了したかったのは事実です。なぜ、修了が伸びてしまったかというと研究に必要なデータが不足してしまっていたことに由来します。

 あまり詳しくは述べませんが、フィールドワークに必要なお金を父と母に送ってもらうことができず、また自分の貯金が不足していた等のいくつかの理由があります。そのため、夏休み前にフィールドワーク支援金のようなものに応募したのですが学内専攻の段階で落ちました。

 ちなみに落ちた理由は自分の英語力です。まぁ、しょうがない。周りは平均TOEIC950くらいとってきているのだから、自分がこのスコアに到達するのには、もう少し時間が必要ですね。

 とはいえ、研究テーマ的にフィールドワークを行い、データを取ってくる作業が一つの重要なミッションですね。ここで軽く自分の研究テーマを紹介すると、

「フィリピンの農村世帯における脆弱性の決定要因」です。まぁ、堅苦しい言葉が並びますが、簡単に言うと自然災害の脆弱性(リスク)が絶えずあるフィリピンの農村で、彼ら彼女らがどのようにそういった自然災害に対処しているのかということ、また加えて彼ら彼女らの資産は脆弱性の決定要因に対してどう影響しているのかということを統計学並びにエコノメトリックスいわゆる、計量経済学の手法を用いて分析しております。

 

 まぁ、資産という観点では、いうまでもなく直感で資産はあったほうがいいですよね。でも、資産というと一般の方々は金融資産を頭の中で、浮かばれると思います。けれど、金融資産は数ある資産の1つでしなくて、ほかには教育歴や、市場への距離、友人の数といったものなど多数の種類が含まれ、これらの資産をDFIDという英国の Department for International Developmentというところが、Sustainable Livelihood Framework(訳:持続可能な生計アプローチとも)をフレームワークとしてある種定式化し、そのフレームワークを用いて、実証分析を行う研究も今までに多々報告されています。

 また、その資産という点を考慮するうえで、自分の研究で重要な論文がいくつかあるのですが、そのうちの1つを簡単に紹介したいと思います。それは、Moser(1998)の研究です。この研究が明らかにしたことは、ある種当然のことなのですが、「資産を持っていない人は脆弱であり、資産を持っている人はそれに対し、脆弱ではない」とあります。まぁ、当然といえば当然なのですが、資産は使い道によってもその価値が左右されますよね。

 たとえば、アフリカの事例の論文(Moserではないです)を読んでみると、そこで取り上げられる論文で資産は主に家畜について言及されています。これは大変興味深いです。なぜなら、本来家畜は家計の生計を補うものとされているのにもかかわらず、アフリカ(といっても一部の国)では、こうした家畜を売り飛ばし、現金収入を得るという研究、報告されています。

 もちろんこうした、資産の使い方や、資産そのものの質を考慮することは資産を分析する際の1つになってくると、私は思います。

 

 ということで、今月26日から3/16日まで、私は修士論文のためのデータがとれるかどうか確認するために、フィリピンに行ってきます。今回は、データをとることが目的ではなく、データがとれるかどうかという現実的にその研究できるかどうかを検討するサーベイです。

 

 では、またsee you next time 

 

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